10月3日、早稲田大学所沢キャンパスで行われたパラスポーツの講義を取材しました📷
今回の講義では、アイスブレイクとして学生同士でボッチャを楽しんだほか、車いすバスケットボールチーム「埼玉ライオンズ」の皆さんによる指導のもと、競技用車いすの操作やミニゲームを体験しました。

◀️講義の様子
講師:岡田美優 氏(写真中央)
みなさん真剣に講義に取り組まれていました👀✨
<ボッチャ体験の様子>
まずはルールを覚えるところから。
だんだんとコツを覚え、チーム内で作戦を考えるなど、接戦が多く大変盛り上がりました!

スポーツを通じて、違いを越えて関わり合う
講義を担当した岡田美優 講師(以下、岡田様)は、学生に最も伝えたいこととして、次のように話します。
「パラスポーツは障がいのある人だけのものではなく、障がいのない人も共に楽しめるものです。スポーツを媒介とすれば、障がいの有無に関係なく、互いに関わり合い、分かり合えるということを学んでほしいです。
そして、実際に競技を体験することにも大きな意味があります。
車いすを操作する難しさを自分で体感した後に選手のプレーを見ることで、その技術の高さや日々のトレーニングの積み重ねを、より深く理解できるようになります。」
岡田様は、こうした体験が「障がい者スポーツは競技レベルが低い」という偏見を取り除き、パラアスリートの卓越性を知ることにつながると考えています。
学生時代の一度の体験が、将来につながることも
岡田様自身、大学3年生になるまでパラスポーツの存在を知らず、障がいのある人が競技スポーツに取り組む姿を想像したこともなかったといいます。
しかし、大学で初めてパラスポーツを体験し、「これだ!」と感じたことが、その後の活動につながりました。それまで続けてきたハンドボールの経験や、ご両親が特別支援学校の教員だったことも重なり、パラスポーツが自身の興味や関心の中心にあることに気づいたそうです。
「学生が多く集まる大学は、若い世代がパラスポーツを知り、実際に体験するための絶好の場所です。今回の講義も、学生にとってパラスポーツに関わるだけでなく、自分の興味や将来について考える大きなきっかけになると感じました。」
埼玉ライオンズの皆さんと車いすバスケットボールを体験
講義の後半では、車いすバスケットボールチーム「埼玉ライオンズ」の皆さんにご協力いただきました。
埼玉ライオンズでは、競技活動だけでなく、大学や企業における人材育成・課題解決につなげることも意識し、体験活動などに協力しています。
今回は6名の選手に参加いただきました。
車いすバスケットボールは、コートの広さやゴールの高さなど、基本的なルールは一般的なバスケットボールとほぼ同じです。障がいのない人や女性も大会に参加でき、さまざまな選手が一緒に競技を楽しめます。
大きな特徴の一つが「持ち点制度」です。選手は身体機能に応じて1.0から4.5までの持ち点に区分され、コート上の5人の合計を14ポイント以内に収めてチームを構成します。
障がいの程度だけで優劣を決めるのではなく、異なる特徴を持つ選手が、それぞれの強みを生かしながらチームで戦う仕組みです。

◀️選手の持ち点を学生が予想する様子
参加いただいた選手は以下の通り。(右側:持ち点)
講義中は愛称で呼び合っていました☺️
- 熊谷悟 選手:3.5ポイント
- 大山伸明 選手:4.5ポイント
- 植田紘公 選手:2.5ポイント
- 久我太一 選手:1.5ポイント
- 古川諒 選手:1.0ポイント
- 森岡煌陽 選手:2.0ポイント
競技用車いすには、どのような工夫がある?
体験では、競技用車いすと日常生活用の車いすの違いについて、まず学生自身が観察し、理由を考える時間が設けられました。
競技用車いすの大きな特徴は、車輪が「ハの字」に取り付けられていることです。素早く方向を変えやすく、安定性も高まるため、スピード感のあるプレーにつながります。
一方、日常生活で同じ構造を採用すると車いす全体の幅が広くなり、狭い通路やドアなどを通りにくくなってしまいます。
また、競技用車いすの前後には、転倒を防ぐための補助輪が付いています。激しい動きの中でも安定してプレーしやすくなる反面、日常生活では段差を越える際の妨げになることがあります。
同じ車いすでも、使用する目的や環境に合わせて構造が工夫されていることを、学生たちは体験を通して学びました。
埼玉ライオンズ:中井コーチより説明

難しさを体感したからこそ分かる、選手のすごさ
学生たちは、競技用車いすの操作やドリブル、シュートなどに挑戦し、最後には試合形式のミニゲームを行いました。
車いすを動かしながらボールを扱うことは想像以上に難しく、選手の皆さんが見せるスピードや正確な操作、シュート技術の高さを、身をもって感じる機会となりました。
単に競技について説明を聞くだけではなく、自分で挑戦して難しさを知る。その上で選手のプレーを見ることで、パラスポーツの魅力やアスリートの卓越性が、より鮮明に伝わります。


静岡でも、スポーツを通じたつながりを
静岡市との二拠点で活動する岡田様は、静岡について「さまざまなプロスポーツチームがあり、スポーツが非常に盛んな地域」という印象を持っています。
今後、静岡市のスポーツ団体が連携し、パラスポーツやユニバーサルスポーツの活動を広げていくことで、より多くの方にスポーツの価値を届け、市民の健康で幸福な生活につなげられるのではないかと話してくださいました。
今回の講義では、パラスポーツを「知る」だけでなく、実際に体験し、選手と関わることの大切さを学びました。
一般社団法人ユニバーサルスポーツしずおかも、今回のご縁を大切にしながら、年齢や性別、障がいの有無などにかかわらず、誰もが一緒にスポーツを楽しめる機会を静岡に広げていきます。
講義を取材させていただいた岡田様、体験指導にご協力いただいた埼玉ライオンズの皆さん、そして参加された学生の皆さん、本当にありがとうございました。

おまけ
競技用車いすの収納技術に驚きました!🚗
簡単に持ち運びできることを知れたので、当団体でも今後イベント等でぜひ活用したいです!

